そこで改めて「死」というものを身近に感じたようです。
春休み以降は、「ママが死んだらどうしよう」とか、「ママとパパとアリソン(愛犬)が死んだら、僕は一人になるよ。どうするの?」って再びよく聞いてくるようになりました。笑顔で聞いてくるのですが、その後に色々と想像して、泣き出したりします。息子なりに「死」について、考えを整理しようとしているのだと思います。
先日伝えたのは、「いまママもパパも元気でしょ? いますぐに死ぬってことはないし、あなたを一人にしないよ」と抱きしめて言いました。「死んだら悲しい気持ちもわかるけど、いまこうやってハッピーに過ごしていることが大切なんだよ」ということも伝えました。
そしたら、今度は「明日の朝、ママが死んだらどうするの?」って具体的に聞いてきたんです。想像力があることは良いんですが、まだ元気ですし、「勝手に殺さんといて」とツッコミながら、もうお兄さんだし、もう少し教えてもいいかなと思いました。
携帯電話の開き方と、119番のかけ方を教え、それで、「救急車のお兄さんにつながるから、『ママが起きません』、『倒れました』と言えばいいんだよ」と伝えました。住所はまだ覚えていないので、これからぼちぼち教えていこうと考えているところです。
けっこう真剣に聞いていてくれたんですが、話が膨らんできて、さらに「日本の人がみんな死んだらどうするの?」って今度は聞いてきたんです。「それじゃ巨大隕石が落ちてくるレベルだから」って再度ツッコミ。
心配のスケールが大きくなって(笑)。心配しすぎないように、「絶対にあなたを一人にしないよ」と改めて伝えました。いろいろありますが、息子の心の成長を感じているところです。
(構成/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)