水田大策さんと水田桂子さん(撮影/楠本涼)
水田大策さんと水田桂子さん(撮影/楠本涼)
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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2023年6月5日号では、クラフト作家・養蜂家の水田大策さん、特別支援学校教員の水田桂子さん夫婦について取り上げました。

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夫24歳、妻25歳で結婚。長女(16)と次女(13)と4人暮らし。

【出会いは?】夫の勤務先の学校に、妻が新規採用されて着任。夫が休み時間に革を使った鞄の作り方を教えていたところ、共通の知り合いの先生を介して、妻が鞄作りに参加した。

【結婚までの道のりは?】互いに心地良さを感じ、4カ月後に交際が始まる。夫は積極的に妻の実家に行き、義父に妻と結婚したいと相談し、義母に妻が結婚後も教員職を続けていけるようにサポートすると伝えた。トントン拍子に進んで1年7カ月後に結婚。

【家事や家計の分担は?】洗濯、平日の料理、ゴミ出しは夫、掃除、休日の料理は妻が担う。家計は一緒。

夫 水田大策[41]Tetto a Capanna 養蜂家

みずた・だいさく◆1982年、京都府生まれ。宝塚造形芸術大学短期大学部卒業後、特別支援学校でバス介助職員として勤務。結婚を機に家業に就き、またクラフト作家としてレザーと帆布の作品の制作・販売を行う。2019年から養蜂を始め、現在は養蜂業に力を入れている

 交際中、互いが大事に思うものを提供し合える関係が続いて、人間同士としていられる心地良さがありました。共に先に進むのが面白そうと思わせてくれる方だったので、この人は逃がせられへんなって。外堀を埋めようと妻の両親と仲良くなったんです。

 結婚すると同じ職場では働けなくて、妻は稼ぎ頭で、僕が退職。再就職先に家業を選んだのは、主体的に子育てしたかったから。時間の融通が利く条件で家業に入りました。

 僕は子どもが好きなので、子育てはすごく楽しいです。今、家族で積み重ねたものがあるからこそ、共に歩む人生が面白くなってきました。

 養蜂業では技術がつくと、農薬の残留がない安全な蜂蜜だけを採れるようになります。

 お客様も増え、ものづくりのワークショップなどの要望もあるので、バランスよくできるように考え中です。妻も面白がって手伝ってくれるし、家族の理解があるのはありがたいですね。妻の存在は出会いからずっと僕の心に響き、鳴りやまないです。

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