巨人・中田翔
巨人・中田翔
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 巨人中田翔がチームに欠かせない男になっている。交流戦を挟んで勢いが出てきたチームのリーダー的役割を担う。逆転優勝へ向けてのキーマンと言えるかもしれない。

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 今シーズン巨人は開幕から上手く波に乗れず、Bクラスで順位が推移していたが、そこまで負けが込まずにギリギリで踏ん張れていたのは中田の存在が大きかった。

「今春キャンプから好調を維持。アーロン・ジャッジ(ヤンキース)を参考に、縦振りと呼ぶアッパー気味のスイングに磨きをかけている。コンタクト率向上のため、手元まで呼び込みボールの内側を捉える形がうまく行っている」(巨人担当記者)

 今季は主に5番で起用され打線を引っ張ってきた。しかし、5月4日のヤクルト戦(東京ドーム)では、二塁打を打った際に右太ももの裏を痛めて離脱。その時点で全28試合に出場し、打率.301、リーグトップの7本塁打、15打点をマークするなど、チームにとって数少ない“頼れる男”となっていた。

「翔の離脱は本当に痛かった。打撃の結果に加えて盛り上げ役にもなってくれる。見た目は強面だが、若手からイジられるのも受け入れて笑いに変えられる。経験も豊富なので、調子に乗れないチーム内で大きな存在になっていた」(巨人関係者)

 翌日に行われた中日戦(バンテリンドーム)の試合前の円陣では、長野久義が「翔がケガしてしまったけど、良い順位につけて帰ってくるのを待とう」と話した。中田の存在が想像以上に大きいことを示している。

 その後、5月25日に戦列復帰し、最近は少し調子を落としているが、中田のチーム内での存在の大きさをグラウンド内外で感じることは多いという。

 巨人移籍後は、トレードの原因となった暴力事件のみがクローズアップされることも多かった。しかし元来、野球の実力はもちろん、後輩選手の面倒見の良さは知られている。自身の過ちを省みて、改めて野球や同僚たちと真摯に向き合い始めた結果、信頼を取り戻し始めている。

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日本ハム時代から有名だった“面倒見”の良さ