「後輩の面倒見が良かったのは有名。普段は年下の選手たちをイジっているが、そういう選手がミスをすると必ずフォローしていた。優しい人間だと誰もがわかっているから、翔の周囲には人が集まった」(日本ハム関係者)

「調子に乗りやすい部分もあるが裏表がない性格。マスコミや裏方さんにも同様で打算がないので、接するのは楽だった。暴力は行き過ぎで大問題だが、世間で言われるほどの悪人扱いするような人は誰もいなかった」(日本ハム担当記者)

 投手と野手の隔たりもなく、「来るもの拒まず」という姿勢だという中田。また、自身の所属チームのみならず他球団の選手を食事に連れていくのも決して珍しいことではない。球団の垣根を越えて中田を慕う人は多い。巨人移籍後の札幌遠征では、多くの関係者や選手がすぐに挨拶に駆けつけたほどだった。

「誰とでも分け隔てなくコミュニケーションを取る。移籍直後は近寄りがたいと思っているような選手もいたが、イメージが全く変わったと慕う人が増えている。試合で結果も出しているので、頼りになる兄貴分という感じ」(巨人関係者)

 今季レギュラーに定着した秋広優人も中田を慕う1人で、キャンプ前の石垣島での自主トレにも同行。白米を1日12合食べるなどの食トレも行った結果、体重は107キロにまで増量。長打力アップなどが今季の打撃好調にも繋がっている。

「(中田は)秋広のプロ入り1年目終了後の自主トレから同行を許して、グラウンド内外で目をかけている。秋広も中田を師匠と慕い尊敬しており、右左の違いはあるが強打者のノウハウを得ようと必死。本当に良い関係を築いている」(巨人担当記者)

 秋広は度々、野球についてアドバイスを与えてくれる中田へ感謝の気持ちを語るなど、大先輩に頭が上がらないという。一方で肉離れから復帰した師匠に対しては「休み明けでクリーンアップはまだ早いです」と軽い冗談も言い合える仲でもある。切磋琢磨しながらチームを牽引する素晴らしい師弟関係だ。

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巨人でのキャリアは素晴らしいものに?