配球を読んで、コースに逆らわずに広角に弾き返すバッティングは捕手らしさがあり、バントなど小技の上手さも持ち味だ。またディフェンス面も安定したキャッチングとスローイングはリーグでも上位の力を誇る。田口と同じく今年で28歳とまだまだ若く、経験が重要視されるキャッチャーというポジションを考えても注目度は高くなりそうだ。
こうして見てみると、自身の不祥事によって登録抹消となっている山川穂高(西武)は苦しい立場となっているものの、それ以外の選手は軒並みここまで順調なシーズンを送っているように感じられる。まだ気が早い話だが、昨年に続いて活発なFA戦線となることも十分に考えられるだろう。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。