戦場で人々の生き死にを取材し、その人たちの苦しみや悲しみの声を拾ってきた。それを、パートナーが銃弾に倒れたからといって行くのをやめてしまえば今まで取材させてもらった人たちに顔向けできないという。
伝えたいのは、不正義が横行する不条理な世界。
「同じ時間軸の中で、ひねり潰されている人がいる、ひねり殺されている人がいる。そのことを知ってほしいし、知るべきです。知らなければいけないことはあると思います」
伝えるだけで戦争を止められないことはわかっている。それでも、受け取った人が考え、戦争を止めるための行動に移してもらえればと話す。
「ジャーナリズムの『目』は、戦争の抑止力になり得ると思います。僕は、考える材料を提供しているだけ。それだけです、それしかないですね」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2023年6月26日号より抜粋
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