楽天の石井一久監督
楽天の石井一久監督
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 下位に低迷している楽天。ファンから就任3年目の石井一久監督への風当たりが強まっている。

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「投打がかみ合わず、やりたい野球の方向性が見えてこない。一番の懸案事項は生え抜きの選手たちが伸び悩んでいることです。石井監督はGMに就任して以来、外部補強を積極的に敢行してきたが、東北のファンの間では『若手をもっと使ってほしい』という声が少なくなかった。東北人の気質もあると思いますが、負けても選手にヤジを飛ばさず温かい反面、場当たり的な補強でのチーム作りに納得できない部分が大きい。石井監督のやり方で結果が出ればファンの評価も変わったと思いますが、近年は優勝争いにすら絡めていない。今年もこのまま下位に低迷するようだと、監督の責任問題を問われる。メディア間では早くも次期監督の話題になっています」(スポーツ紙記者)

 石井監督は現役時代にヤクルト、メジャー、西武でプレーし、引退後は吉本興業の契約社員として入社という異色の経歴を持つ。2018年に楽天のGMに就任すると、ド派手な補強策を敢行する。同年オフに当時西武に所属していた浅村栄斗がFA宣言すると、複数球団の争奪戦となったが、石井監督が口説き落とした。19年オフにはロッテの主力だった鈴木大地をFAで獲得。メジャーでプレーしていた牧田和久も西武など複数球団との争奪戦の末に補強に成功する。涌井秀章もロッテから金銭トレードで獲得した。20年オフは田中将大が8年ぶりに復帰。正捕手が固定できない状況で、21年に巨人から炭谷銀仁朗を金銭トレードで獲得した。同年オフに日本ハムを自由契約で退団した西川遥輝が加入。選手の名前だけ見ると、巨人にも見劣りしないタレント集団だ。

 だが、大型補強がチーム力のプラスアルファに直結するとは限らない。浅村は16年以来全試合出場を継続し、20年には本塁打王を獲得したが、牧田は2年間の在籍で退団。涌井も移籍1年目の20年に最多勝を獲得したが、昨年は故障の影響で4勝に終わり、オフに阿部寿樹とのトレードで中日へ。右の強打者として期待された阿部だが、打率.107と打撃不振で4月中旬以降はファーム暮らしが続いている。鈴木大、西川も開幕ファームスタート。4月に入ってから1軍に昇格したが、レギュラーとして稼働しているとは言えない。

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