続く2006年のドイツW杯では、韓国代表としてDFキム・ジンギュ(磐田)、FWチョ・ジェジン(清水)の2人が出場したのみだったが、2010年の南アフリカW杯では、韓国代表にDFイ・ジョンス(鹿島)とMFキム・ボギョン(大分)、オーストラリア代表にDFミリガン(千葉)とFWケネディ(名古屋)、そして44年ぶりの本大会出場となった北朝鮮代表にはFWチョン・テセ(川崎)とMFアン・ヨンハ(大宮)が選出されて現役JリーガーとしてW杯のピッチに立った。
記憶に新しい2014年ブラジルW杯では、韓国代表としてDFキム・チャンス(柏)、ファン・ソクホ(広島)、ハン・グギョン(柏)の3人がメンバー入り。そして前回の2018年ロシアW杯では、韓国代表にGKキム・スンギュ(神戸)、キム・ジンヒョン(C大阪)、DFチョン・スンヒョン(鳥栖)、チャン・ヒョンス(FC東京)、MFチョン・ウヨン(神戸)の5人が選出され、オーストラリア代表にもDFデゲネク(横浜FM)とFWナバウト(浦和)の2人がメンバー入りした。ただ、2006年のドイツ大会以降はアジア以外の国の代表としてW杯に出場した現役Jリーガーはいない。
迎えるカタールW杯では、柏の守護神だったGKキム・スンギュがサウジアラビアの強豪アルシャバブに移籍したことで韓国代表のJリーガーはDFクォン・ギョンウォン(G大阪)のみとなる可能性が大。プレーオフを勝ち上がったオーストラリア代表には、ミッチェル・デューク(岡山)とアダム・タガート(C大阪)の2人のFWが候補に入っているが、今回もアジア以外では出場国の候補者の中にJリーガーの名前はない。日本代表においても「海外組」の増加に伴って「国内組」の数が減少し、今回のカタールW杯では5人前後の予想。故に、カタールW杯に参加するJリーガーの数は、日本が初出場した1998年以降、過去最少となる見込みだ。
果たして、これは是か非か。W杯が開催される度に「日本と世界の距離」が討論されるが、早期の海外移籍と日本経済の停滞の間で、少なくとも「Jリーグ」と「W杯」は隔離されてきているのではないか。これは今後の日本サッカーが改善していくべき課題である。(文・三和直樹)