「トラウト、レンドンと長期の大型契約を結んだのは、若手の台頭を見越してのことだった。予定通りに行けば大谷との契約延長も考えていたはずだが、状況は大きく変わった。若手が育ってこないだけでなく、多くの要素が絡み予想以上に勝てないので手を打つ必要が出てきた」(在米スポーツライター)
トラウトとは19年開幕前に12年総額4億2650万ドル(約580億円)という歴代最高額で契約を延長。FAのレンドンとは19年オフに7年総額2億4500万ドル(約265億9600万円)で契約を交わした。ここに大谷をはじめ若手選手が加わることでワールドシリーズを狙えるチームを作る青写真だった。
「二刀流で活躍する大谷の給料は、マックス・シャーザー(メッツ)のメジャー最高年俸の4333万ドル(約58億8000万円)を上回ると言われている。チームの黄金期到来が見込めると判断するならエンゼルスも投資するかもしれない。大谷自身のチーム愛も深く相思相愛だったため、他球団より多少低い条件でも契約する可能性もある。しかし現状では難しくなったと言わざるを得ない」(スポーツマネージメント会社関係者)
「球団のビジネスプランが崩れたのも大きい。スポーツ界全体に言えるが、コロナ禍での収入減もありリスクを回避する傾向が強い。大谷入団で日本人の来場客の大幅増を見込んだが予想よりも少なかった。また世界的な経済低迷の影響からスポンサーも集まらない。FA時の契約延長に関しても慎重になってしまう」(大手広告代理店関係者)
当初、エンゼルスは大谷を“フランチャイズプレイヤー”にする予定であったのは間違いだろう。だが、思い描いていたプランに狂いが生じ始め、トレードやFAなどでの移籍の可能性が大きくなってきた。
移籍先としては資金力のあるメッツ、ドジャース、ヤンキース、レッドソックスなどが有力候補と言われるが、やはり“二刀流”で起用法も難しいことから読めない部分も多い。