「二刀流として活躍していることも事態を複雑化させる。メジャーの先発投手は中4日で登板するため各球団5人の先発投手を準備する。エンゼルスは大谷が投打で出場するため現状6人でローテーションを回している。今後、大谷の在籍球団は同様のことをする必要性が出てくる。中4日での登板に慣れている投手は登板間の調整を含め、変化を余儀なくされる。年間の登板試合数が減る場合はサラリーにも影響する。各球団のGMにとって年俸などの契約内容以上に頭が痛い問題」(在米スポーツライター)
二刀流としてメジャー屈指のスターとなったことで、移籍先にも制約が出そうなのは皮肉である。しかし大谷の商品価値がグラウンド内外で非常に大きいのは誰が見ても明らか。優勝争いするための大きな戦力となるのはもちろん、チケットやグッズセールス等のビジネス面での影響力も無視できない。
「ヒリヒリする9月を過ごしたい」と語る本人の最終目標がワールドシリーズ制覇なのは間違いない。高校時代から目標を1つずつクリアしてきたが、今は野球選手としての頂に向けてのプランを描いているはず。これまで同様、周囲の喧騒に左右されることなく目標への道を選ぶことだろう。去就が大きな話題となるのはスーパースターの宿命。昨年夏はオールスターゲームで全世界を熱狂させた大谷が、今年は“移籍”という形で世間をあっと言わせるかもしれない。