エンゼルス大谷翔平のトレードを含めた移籍ついての議論が過熱している。順調なら2023年オフにFAとなるが、エンゼルスの低迷やビジネス的な要素も絡み、FA前にトレードで放出される可能性についても言及されるようになってきた。
今季は開幕から好調をキープしていたエンゼルスだが、今やドアマット・チーム(弱小チームの俗称)と呼べるほどに厳しい戦いぶりとなっている。大谷、マイク・トラウトというメジャーを代表する選手を抱えてはいるが、5月末から14連敗。6月7日には大谷の良き理解者でもあったジョー・マドン監督が解任されてしまった。
「フロントと現場の意思疎通が全く取れていない中での電撃解任には疑問の声しかない。投打ともに調子が上がらない選手も多く、故障者もいた。選手起用にも苦労する状況下でマドン監督はよくやっていたと思う。代行監督となったフィル・ネビン三塁コーチは準備が全くできていない状態での昇格で采配らしいこともできていない。責任の所在が明確でない中、試合だけが消化されている感じ」(在米スポーツライター)
大型連敗中には主力の大谷、トラウトが不調に陥った。加えて主力のアンソニー・レンドンとテイラー・ウォードが故障者リスト入りするなど、チーム状態が最悪だった中での不可解な監督交代となった。6月10日に連敗は止まったが、その後もチーム状況が良くなる気配はない。
「今のチームは若手が多く優勝を狙うには時間がかかるのはわかっていたこと。若手の成長と大谷、トラウトなどが化学反応を起こすことが必須だった。経験豊富なベテラン監督には若手を育成するミッションも求められていたはず。今回の人事は目先の責任をマドン監督に押し付け、フロントが経営努力をアピールしているだけに見える」(スポーツマネージメント会社関係者)
投手のリード・デトマーズ、パトリック・サンドバル、野手のブランドン・マーシュ、ジョー・アデルなど、20代の前半から中盤の若手も多い。今は彼らが経験を積んで一人前になるのを待ち、大谷やトラウトとともに“戦えるチーム”を再建している途中だ。20年に招聘したマドン監督には若手育成を踏まえ、長期スパンでのチーム強化を任せると見られていた。