だが、立花氏自身は出馬せず、「暴露系YouTuber」のガーシーこと、東谷義和氏、動画サイトFC2の創業者、高橋理洋氏らを擁立して議席獲得を目指している。東谷氏は、中東のUAE(アラブ首長国連邦)のドバイからネットを使って選挙運動をしている。
「日本で金銭トラブルがあり、帰国すると逮捕されるではないか」
とその理由をYouTubeで語っている。
高橋氏も過去に、FC2の関連会社を京都府警が摘発したことで、今も逮捕状が有効である可能性があり、同じくドバイに滞在している。これまで数々の「爆弾」を投じて耳目を集めてきた立花氏らしい「炎上」を狙った候補者選びに見える。
それは、選挙がはじまってからも同様。テレビ朝日の党首討論番組では安全保障関連の問題で話し合っている時に、
「テレビをご覧の皆さん、テレビは核兵器に勝る武器、テレビは国民を洗脳する装置です」
などと発言したところ、退席を命じられた。
立花氏は猛反発し、言論の自由を毀損されたと民事訴訟を起こした。
東谷氏は、YouTubeだけではなく政見放送でも得意の芸能界の暴露話を披露し「炎上」はさらにヒートアップしている。各社の世論調査では、1議席が得られるか、ギリギリという情勢のようだ。
●ごぼうの党
参院選に突如として現れたのが「ごぼうの党」。比例区に11人を擁立した。
芸能人や格闘家、YouTuberとの付き合いがあることで知られる奥野卓志代表は、20人前後の「ごぼうダンサーズ」を引き連れ、「ごぼうの党」と書かれたトラック4~5台を並べて街頭活動をしてきた。聴衆に演説の風景の写真を撮ってもらい、SNSで拡散してもらおうという戦略も展開している。
奥野代表は化粧品の製造、販売業を営んでいる実業家。出馬に至った経緯をこう話す。
「ほんとうは国会議員なんてやりたくないんですよ。誰かに拘束されたり、我慢したりして組織に入るとか、そんなことはやってこなかった。何かのルールに従って、衆人環視のもとにおかれる政治家の世界に身を置きたいわけがない。なぜ、そんなことをやるのかというと、本当に今の状況を危機と感じているからです」