コツコツとアルバイトで資金
早稲田大学に次いで留学生が多かった明治大学でも、学生の派遣数はコロナ前の水準に戻りつつあるという。ただやはり、物価高や円安の影響は少なくないという。
明治大学国際教育事務室の担当者は、こう言う。
「交換型の留学(交換留学生)で授業料を支払わずにすむケースでも、滞在費をまかなえないので留学期間を短縮したい、という相談をかなり受けています。期間を1年間から1学期間に短縮してなんとか留学することを模索しています。さらに、辞退を検討している学生もいます」
親が全額負担して留学する学生がいる一方で、コツコツとアルバイトをして留学費用をまかなう学生もいる。
「そんな学生に話を聞くと、『これぐらいためれば留学できる』と目標を立てて、1年生のときからお金をためてきたそうです。でも、いまのような状況では『もう諦めざるを得ない』とも言います」(同大担当者)
明治大学は留学する学生に対して助成金制度を設けているが、「授業料負担型で行く場合、すべてをまかなえるわけではないので」と、担当者は漏らす。
明治大学も早稲田大学と同様、交換留学の辞退を原則、認めていない。
「留学が決まるのは渡航の半年以上前です。ところが、いざ、留学費用を支払う段階になって、これだけ円安が進行してしまったため、『考え直したい』という相談をいくつも受けています。保護者の方とも相談して、ということになるんですが、そこで支援が受けられないとなると、どうしても諦めざるを得ない。そういう学生が出てきています」(同)
なお、大学によっては給付型の奨学金制度などを導入し、住居費や食費などを支給して留学費用をサポートしているところもある。大学別にさまざまな制度が設けられているので、ホームページなどで確認しよう。
為替差損は留学業者「負担」も
では、留学支援事業者を通じた留学についてはどうだろうか?
前述した「留学ジャーナル」の担当者に話を聞くと、「弊社を利用した留学でいちばん多い年代は大学生です。19年は49%が大学生でした。次いで最近増えてきている中高生は25%、社会人は20%です」。