球団が負ったマイナスイメージの払拭にも成功した。トラブルが続出した昨シーズンはチームに対してネガティブな印象も生まれた。しかしビッグボスの就任、『きつねダンス』の大流行など、日本ハムは世間の注目を集め続けてきた。結果的には負のイメージとなっていた出来事を大きく上回るだけの明るい話題を提供している。
「中田翔(巨人)の暴力事件等、新球場移転を前にしたタイミングで強烈な逆風が吹いた。球団として様々なイメージ回復策を考えた中の1つだったのだろう。シーズンオフはビッグボス旋風で、開幕後にチームが勝てなくなったら『きつねダンス』で盛り上げる。明るく前向きになれる話題をタイミングを見計らって出す。プロの仕事です」(大手広告代理店関係者)
『きつねダンス』に追随、二匹目のどじょうを狙う球団まで現れた。ヤクルトは『ツバメダンス』なるものを発表。NHKのキャンペーン企画で発表された楽曲「ツバメ」(YOASOBI)に合わせたダンスは好評だ。
「コロナ禍でスタンドでの声出し応援はできないがダンスならできる。またリモートなどで球場にいなくても参加が可能。『きつねダンス』は新しい形での演出、応援方法の提案になった。いまだ客足は戻りきらず各球団が苦しんでいる。観戦スタイルの試行錯誤が続く中で明るい未来を感じさせるものです」(パ・リーグに詳しいスポーツライター)
ここへきてコロナウイルス感染者数が再増加している。従来のような声出し応援再開のメドが立たない中、各球団は球場での新しい楽しみ方を模索している。これまで様々な試みで球界に一石を投じてきた日本ハム。表沙汰になった多くのトラブルは決して誉められたものではない。しかし『きつねダンス』発案など、エンタメを追求する方針は「さすが」の一言である。