北海道産『きつねダンス』が列島を席巻中だ。野球界のみでなく競技の枠を超えて全国的人気となっている。22年上半期のスポーツ界を代表する空前のフィーバーは、偶然ではなく日本ハム球団の用意周到な戦略がハマった結果だ。
今やスポーツファンであれば『きつねダンス』を知らない人の方が少ないだろう。球団マスコットとファイターズガールが試合中のイニング間に行うダンス。キャッチーな音楽に合わせ、きつねをモチーフに踊るものだ。パ・リーグTVや球団公式YouTubeが動画を公開したことで人気に火が付き“バズった”。相手チームの選手までリズムを取っているのも話題となっている。
「ビッグボス(新庄剛志監督)就任に合わせ、球場演出が一新された。本拠地開幕戦で初披露となったが、当初は演出の中の1つという感じでここまで盛り上がるとは思わなかった。耳に残る音楽、キュートなダンスはジャブパンチのようにジワリと効いてきた。SNSなどで拡散されたのも大きかった。チームが勝てず開幕前のビッグボス・フィーバーも収まった中、最も注目されるコンテンツとなっている」(日本ハム担当記者)
各球団ともチアリーダーはチームの顔でもある。衣装やダンスに趣向を凝らしたものを準備しファンサービスに余念がない。野球同様に他球団との熾烈な競争が繰り広げられるチアの世界だが、きつね耳のコスプレに真似しやすいダンスという斬新さが目を引いた。
人気選手の杉谷拳士と踊った公式動画は、わずか8日で200万回再生を突破したほど。また野球界以外にも『きつねダンス』旋風が波及し、Jリーグ柏レイソルのマスコット「レイくん」もクラブ公式TikTokアカウントでファイターズガールと共演。7月10日のセレッソ大阪vs横浜F・マリノス戦(ヨドコウ桜スタジアム)ではファイターズガールがスペシャルゲストとして登場。セレッソガールやスタジアムMCとともダンスを披露し、盛り上がりを見せた。