メジャーリーグでは今年も、シーズン途中に勢力図が大きく変わる可能性のあるトレード期限(今年は8月2日まで)が迫って来た。スーパースターが絡む超大型トレードが発生することも少なくないが今季はどうなるのか……。現地で報道されている情報などをもとに探ってみた。
まず、日本でも話題となっているのが大谷翔平(エンゼルス)の行方だ。
エンゼルスは今季、開幕から好調だったものの、5月末から14連敗を喫するなど低迷(前半戦は39勝53敗でア・リーグ西地区4位)。将来的にチームの主力となるような若手が育ってきていない現状や、大谷が2023年シーズン終了後にフリーエージェントとなることから「出ていく前にトレードで放出して他チームから有望株を獲得した方が良いのでは」という声も現地では非常に大きくなってきている。
そんな状況の中、メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』も「トレード期限前にトレードされる可能性のあるオールスター出場選手は?」という記事の中で、大谷をその中の一人としてピックアップ。「一見、エンゼルスが大谷をトレードすることはバカげているように見える」としつつも、「(大谷の見返りの選手で)チームの様々な部分を改善することができ、決して狂った考え方ではない」と大谷を放出することは理にかなっているとしている。
だが、この記事のように、チーム強化という点だけを見れば大谷をトレードに出すことは理にかなっているかもしれないが、今や大谷はチームを超えてリーグの顔にもなった。エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは「大谷やマイク・トラウトのようなスーパースターをトレードで出してチームを再建することも考えているか?」という問いに対して、個人名を出すことは避けたものの「何人かの選手は他のプレイヤーに比べてトレードするのが難しい」と回答。さらに、「2人(大谷、トラウト)を中心に勝つ計算もしている」と将来的なチームプランとして大谷が存在していることも明かしている。来年まで契約が残っていることも考えると、今夏のトレードの可能性は低いと見るのが妥当だろう。