記念写真に納まる岸田文雄首相(手前中央)と閣僚ら
記念写真に納まる岸田文雄首相(手前中央)と閣僚ら
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と決別する気はない? 8月10日に発足した第2次岸田改造内閣。ふたを開けてみれば旧統一教会と接点のあった人物ばかり。本人たちを問いただせば、「知らなかった」と責任逃れ。政権浮揚を狙った前倒しの改造が、逆に国民の疑念を招く結果となっている。

「何のための内閣改造、党役員人事だったのか。旧統一教会関連に関与したのばかり起用して、余計に疑惑が生じている」

 そうこぼすのは、自民党のある閣僚経験者。

 内閣改造前の各社の世論調査で、旧統一教会と政治との関係や安倍晋三元首相の国葬の賛否について、説明が足らない、納得いかない、といった回答が多数を占め、岸田文雄首相は支持率低下を避ける狙いで、想定より1カ月前倒しで内閣改造、党の役員人事に着手した。

 岸田首相は8月10日の記者会見で旧統一教会を念頭に、

「私個人は、知り得る限り、当該団体とは関係がないということを申し上げます」

 と述べた上で、

「社会的に問題が指摘されている団体との関係については、国民に疑念を持たれるようなことがないよう十分に注意しなければなりません。国民の皆さんの疑念を払拭(ふっしょく)するため、今回の内閣改造にあたり、私から閣僚に対しては、政治家としての責任において、それぞれ当該団体との関係を点検し、その結果を踏まえて厳正に見直すことを言明し、それを了解した者のみを任命いたしました」

 と断言。「脱旧統一教会シフト」で19閣僚のうち14人を交代させた。

 しかし、留任した山際大志郎経済再生担当相は、初閣議の記者会見で旧統一教会との関係を認めた。山際氏はこれまでも、旧統一教会関連団体のイベントへの出席や、祝電などが指摘されていたが、「差し控える」と明確な回答を避けてきた。それが閣僚入りが決まった途端に態度が一変した。

 山際氏の資金管理団体は2013年、旧統一教会関連団体「平和大使協議会」に会費1万円を支出、18年に関連団体主催のセミナーに出席したことも公表した。選挙支援については、明言しなかった。

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雑誌掲載、イベントあいさつ、会費支出……