01年の大阪桐蔭は、中村や西岡剛(元ロッテなど)らタレント揃いの大型チームで、西谷浩一監督が98年のチームとともに“最強”に挙げているが、エースと期待された岩田が1型糖尿病、腰痛とアクシデント続きだった影響もあり、大阪大会決勝で上宮太子に延長11回の末、5対6で敗れた。
しかし、翌02年夏は、「弱くて甲子園は絶対無理」と言われたチームを主将の西岡が先頭に立って引っ張り、11年ぶりの甲子園出場を実現する。
1回戦の東邦戦、8回からリリーフのマウンドに上がったのが、2年生の背番号10・三島輝史だった。
エースになった翌03年夏は大阪府大会で敗れたが、同年のドラフト5巡目でロッテ入り。
2年目の05年は速球を武器にイースタンで4勝を挙げ、ファームのリーグ優勝と日本一に貢献したが、その後は結果を出せず、1軍登板のないまま、08年限りで戦力外通告を受けた。
その後も05年夏に甲子園で高校生左腕最速の156キロをマークした辻内崇伸(元巨人)、12年の春夏連覇メンバーの藤浪晋太郎(現阪神)、沢田圭佑(現オリックス)、16年のエース・高山優希(現日本ハム)、18年の春夏連覇組・柿木蓮(現日本ハム)、横川凱(現巨人)、19年のエース・中田惟斗(現オリックス)、昨年のエース・松浦慶斗(現日本ハム)がプロ入り。18年に「将来の主軸」と期待され、ドラ1で中日入りした根尾昂も、今季はリリーフで活躍中だ。
今年のチームも、川原嗣貴、2年生左腕・前田悠伍ら強力投手陣を擁しており、彼らの将来が注目される。(文・久保田龍雄)
●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。