私はYouTubeでチャンネルを開設してから8年以上経っているので、中堅どころもしくは古参のYouTuberともいえます。よく驚かれるのですが、私はYouTubeをプライベートでは一切見ません。漫画やアニメや音楽のPVは好きですが、いわゆる”YouTuberが作る動画”は好きではないからです。
チャンネルを開設した時から、現在に至るまで、「好きなYouTuber」や「憧れているYouTuber」は一人もいませんし、仕事柄特定のYouTuberをリサーチすることはあっても、動画は1秒も見ません。有り体に言えば、YouTubeの動画を見て面白いと思うことがないのです。私にとっては、世界中にある無数のYouTube動画は全てつまらないので、プライベートな時間は、漫画や本を読んだり、NetflixやAmazon Primeのアニメや番組を視聴しています。冒頭から私ごとを長々と綴りましたが、何が言いたいのかというと、「YouTuberがYouTube好きとは限らない」という話です。
成功したYouTuberには、プライベートでYouTubeを見ない人が少なくありません。「YouTuberになりたい!」「人気者になりたい!」という欲望が強くなく、淡々とコンテンツを制作してお金を稼ぐ人々です。このような人々は、成功すると長期的に安定してチャンネルを運営します。淡々と数字を分析し、リサーチをこなし、失敗してもヒットしても「1つの動画サンプル」として研究するだけです。私もこの部類で、YouTube動画の何が面白いのか自分の主観的な感性では分からないため、再生回数という客観的な指標を元に「YouTube上の面白い」の要素を研究する作業を何年もしました。YouTuberの適性は、このようなオタク的な研究や分析や継続性にあるため、YouTubeが好きかどうかと、成功するかどうかは、あまり関係がないのです。
その仕事を好きかどうかよりも、その仕事の作業が向いているかどうかのほうが、成功のために必要な要素なのかもしれません。私は動画を1秒でも見なければならないリサーチや自分の動画の編集チェックは苦痛でしかなく、演者として出演するのも苦手でした。それでも8年以上YouTuberとして活動してきたのは、単純にその作業が「向いていた」、つまり適性があったからだと思います。比較や分析、調査する作業や創造する作業、コツコツ積み上げる作業に適性があるのです。趣味では「好きなこと」をして、仕事は「向いていること」をするのが最適解であると考えているため、適性のある仕事としてYouTuberをしています。「これがやりたい!」「こんなふうに思われたい!」という気持ちが全くないため、視聴者に100%合わせてコンテンツを作れるという強みがあります。