「高齢になっても、最後まで自分らしくアクティブに暮らしたい」。その思いを実現するためには、まず自宅・住環境を見直すこと、そしてリスクや不安が大きければ、思い切った住み替えが勧められます。好評発売中の週刊朝日ムック『早めの住み替えを考える高齢者ホーム2023』では、「このまま自宅に住み続けていいの?」と考える高齢者に向けて、充実した生活を送るための住まいについて解説しています。
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■人と交流できる環境に住み替える
高齢世帯にふさわしい住居というと、たとえば通院や買い物に便利なバリアフリーのマンション、子どもたちの家に近いマンションなど、手ごろな広さで、安全性と利便性を兼ね備えた住居が挙げられますが、失敗のない住み替えは、どのように検討していけばいいでしょうか。
老いの工学研究所理事長の川口雅裕さんは、住み替えの条件を三つ、挙げています。
まずは安全・安心な環境を最優先することは、誰もがうなずくところでしょう。次に大切なことは、人との交流がある環境を選ぶことだといいます。
「人がいるところ、人と交流できるところというのが不可欠な条件です」(川口さん)
交流がある場所というと、高齢者ホームを思い浮かべますが、安全を重要視するあまり、やってはいけないことが多いホームや、サービスが行き届きすぎて自立性を保つことが難しくなるケースもあるので注意が必要です。
また、二世代・三世代同居では、確かに常に人の目があって安心ですが、日常生活ではやってもらうことが多くなり、また「おじいちゃん・おばあちゃん」の立場になって、自身も「年寄り」の気持ちになってしまうといいます。
■「素敵な人」の近くで刺激し合うことが理想的
「元気で活動できる間は、できるだけ自身の自立性を保つために、『同世代の人』と集まって住むのがお勧めです。同じような年齢だと、大切にされすぎることがありません。同級生や仲良しグループで集まって、同じマンションに住むというのが理想的ですね」(川口さん)