2022年の税制改正で住宅ローン控除の改正によって、「築年数要件」が事実上撤廃に。1982年以降に建築された住宅なら、住宅ローン控除が受けやすくなるなど、中古住宅購入にはさらなる追い風も吹いている。

 次は「新築マンション」。人気のジャンルだけに購入に際しては、世の中にさまざまな情報があふれているが、今回“先輩”Nさんに取材して倉田さんが印象深かったのは意外にもココ。「管理組合」の話だった。

「Nさんは入居後まもなくマンションの管理組合の理事長さんになりました。理事会では、例えば敷地内のシンボルツリーのことが議題にのぼり、手入れが大変だから撤去しようという住人もいれば、イルミネーションで飾ってマンションの資産価値を高めたいという住人もいるとか。どちらの言い分も間違っていないし、いわゆる正解がないんですよね。それをみんなで決めていくのって大変だなと思う一方、みんなの共有財産について一緒に考えて、知恵を出し合える仲間がいるということでもありますよね。それが心強いし、素敵だなと。管理組合って大事なものだとあらためて感じました」(倉田さん)

 最後は「中古マンション」(詳しくは、記事「マンガでわかる『中古マンション』購入 ライフスタイルに合わせてフルリノベ、なのに手頃価格!」へ)だ。話を聞いた“先輩”は、フルリノベーションした中古マンションを選んだTさん。中古住宅と同じで、駅直結など希望する場所にはすでにマンションが建設しつくされていて、新築物件はなかなか出にくい。そこで 自分の望む場所にある中古マンションを自分たちのスタイルに合わせてリノベーションしたという。

「家を建てる人によくあるのですが、Tさんもタイルのチョイスに迷う『タイル沼』にハマったおひとり。またそれ以上にペットのちゃんへの愛も深い。フルリノベーションした部屋を見せてもらって、そんなこだわりを形にしたコンセプト住宅は、戸建てや新築マンションだけでなく、中古リノベーションでもできることがよくわかりました」

 こうして倉田さんがさまざまなジャンルの住宅を購入した“先輩”たちに話を聞いて見えてきたものを、最後に聞いた。
「自分の幸せって何だろう……そんなことをあらためて考えて、家族で共有することが、マイホーム選びには大事なのではないかなと思います。本当に自分と向き合うためには、自分で考えるだけではむずかしいということを自分の家づくりや取材を通して、実感しました。家族の話や“先輩”たちの話を聞いて、さまざまな経験や価値観に触れ、自分なりのベストな選択を見つけていけたらいいですよね」
(ライター 福光 恵/漫画 倉田けい/生活・文化編集部)

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