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「迷いに迷って、結局諦めた床暖房。引っ越して数年は、冬が来るたびに『何で付けなかったんだろう』と後悔しきりでした。前の家の床の暖かさが思い出されて」

【「家オタク」の著者が描いたマンガの続きはこちら】

 十数年前、中古マンションを購入した50代の女性はそう話す。人が100人いれば、理想の住まいも100通り。世の中にはこんなにたくさんの情報があふれているのに、例えば「床暖房、付ける?付けない?」というシンプルな問いに、そう簡単には答えが見つからないのが、家選びの困ったところとなっている。

 そこで、新築マンション、建売住宅など、ジャンルを横断して購入経験者や専門家からリアルな情報を聞きだし、『わかるマンガ マイホームを買いたい! 満足・後悔・お金…リアル体験談聞いてきました!』という本にまとめたのが、上のマンガを描いてくれたイラストレーター・マンガ家の倉田けいさん。

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「家オタク」を名乗る倉田さん自身も最近、約5年の念入りな準備期間を経て、「注文住宅」を手に入れたばかりだ。その倉田さんが住宅購入の“先輩”たちに聞いてきた、ジャンル別のマイホームを買うポイントを教えてもらった。

 まずは戸建て住宅の部、「建売戸建」(詳しくは、記事「マンガでわかる『建売戸建』購入 間取り・立地・価格が比較できる内見で納得の物件に出合う」へ)から。倉田さんも手に入れた「注文住宅」は、家も土地も自由に選ぶもので、倉田さんがマンガで描いているように、まさに「メリット:自由に選べること、デメリット:自由に選べること」となる。かたや「建売住宅」は、不動産会社などが建物を建て、土地とセットで販売する住宅のことをいう。

「すでにできている家を実際に見て、予算内で選べるというのは、建売住宅を購入した“先輩”であるMさんに取材して教えていただいた体験談のなかでも、大変納得できたメリットでした。私自身は注文住宅を選んで、あれこれ希望を詰め込むうちオプションの費用が思った以上にかさんでしまったので、購入時点で不確定要素が少ないというのがとくにいいなと思いますよね」(倉田さん)

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マイホーム購入は価値観のぶつかり合い