被災地に支援の声をあげた広瀬すずさん
被災地に支援の声をあげた広瀬すずさん

「多くの家の1階部分が深く浸水し、壊滅的な被害を受けている感じです。泥の痕を見ると、電話ボックスの半分くらいの高さが水につかっていたようです。水道水が来ないので、家の中に入った泥を洗い流すこともできないし、お掃除する人の手も足りていません。とにかく早く水が出るようになってほしい」(前出の女性)

水の痕が水位の深さを表している(提供)
水の痕が水位の深さを表している(提供)

 台風15号の影響で静岡県内では、「記録的短時間大雨情報」が11市町村で32回発令され、静岡市では24時間で、例年9月の降水量の1・5倍もの雨が降った。

 洪水や土砂崩れが発生し、県の発表では死者2人、行方不明者1人、6万3千戸以上もの断水、床上・床下浸水は4千棟以上にも上っている。

 自然災害ではいち早い救助や支援が鉄則だが、これだけの被害が出ているのにもかかわらず、自治体の反応は鈍かった。

 24日(土)の未明には、県内の広い範囲で洪水や断水などの被害が確認されていた。しかし、県が自衛隊の災害派遣要請をしたのは26日(月)の10時25分。大規模な災害が発生してから3日目だ。

 要請が遅れたことについて、静岡市の田辺信宏市長は26日の会見で、「昨日、現場を視察し、よしこれは週が明けたら県に要請しようと。本部会議での決定となりました」と述べた。川勝平太県知事は「(県は)災害派遣要請をする用意がありながら、市町から上がってこないで、じりじり待っていた」という。

 これに対してSNSでは「悠長すぎる」「なぜ待っていたのか」などと強い批判の声があがった。

 さらに、同市清水区では24日の明け方には断水が始まっていたが、同日午後3時の時点で区内にいた給水車は9台だった。22万人以上の人口を抱える清水区で十分とは言えない。

 前出の女性は車で20分ほどの場所まで行き、約2時間並んで水を確保できたという。翌日、給水車は28台に増えたが、女性はこう憤る。

「これだけ人口がいるのに9カ所だけとはいかがなものかと思いました。私は車がありましたけど、お年寄りも多いし、給水所に行けない人もいたと思います。知事と市長の仲が悪いのは以前からで、責任をなすりあっているような印象があります。それで対応が遅れたとなると、言葉がないです」

愛知県からの給水車も現地には駆けつけている(提供)
愛知県からの給水車も現地には駆けつけている(提供)
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