実績はないものの若手の投手で面白いのがマルク(前中日)だ。2017年の育成ドラフト2位で中日に入団し、3年目の2020年には支配下登録。これまで一軍の登板はわずか5試合にとどまっているが、二軍では2年続けて40試合以上に登板し、今年はウエスタン・リーグで最多タイの13セーブもマークしている。

 ステップしながら一度跳ねるような動作が入る変則的なフォームだが、真上から腕を振り下ろすことができ、ボールの角度は魅力がある。先日もアマチュア野球を視察していた他球団の編成担当者がいいボールを投げているとも話していただけに、他球団で開花する可能性もありそうだ。

 野手で密かに注目を集める存在となりそうなのが外国人選手のアリエル・マルティネス(前中日)。2018年に来日し、育成選手として中日に入団。3年目の2020年に支配下登録されて39試合の出場ながら打率.295の好成績を残すと、今年はキャリアハイとなる70安打、8本塁打という結果を残した。

 今年で26歳と若く、日本での経験が十分というのも大きな魅力である。元々キャッチャーが本職で、ファーストや外野の守備力が高くないのはネックだが、指名打者のあるパ・リーグであれば出場機会も得られるはずだ。本人も日本でのプレーを希望していると言われているだけに、今後の動向に注目だ。

 最後にポジションを変更して現役続行する姿を見せてもらいたいのが寺島成輝(前ヤクルト)だ。2016年のドラフト1位でプロ入りし、4年目の2020年にはリリーフとして30試合に登板したものの、それ以外の年は二軍生活が続いていた。今年も二軍で30試合に登板して防御率6点台という成績を見ると、戦力外となるのも仕方ないと言えそうだ。

 ただ、高校時代は打者としても不動の中軸として活躍。夏の甲子園後に出場したU18アジア選手権でも登板しない試合は外野手や指名打者で出場しており、その打撃を高く評価する声も多かった。プロ入り後6年間が経過しての打者転向はもちろん簡単なことではないが、年齢的にはまだ若いだけに、チャレンジしてみる価値はあるのではないだろうか。

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再起を見せる選手は出てくるか?