今やプロ野球には欠かせない存在となったチアガールだが、広島カープだけには存在しない。
【写真】かつてマツダスタジアムに存在したバスタブが設置された応援席
「きつねダンス」が社会現象を起こした日本ハムのファイターズガールなど、11球団には存在する中で異例な状況とも言える。
どの球団のチアも趣向を凝らした衣装やダンスなどで球場を盛り上げている。中でも先述した日本ハムのファイターズガールは「きつねダンス」を引っ提げ、テレビ朝日の長寿音楽番組「ミュージックステーション」出演まで果たしたほどだ。
「『きつねダンス』が有名な日本ハムは極端過ぎる成功例だが、各球団とも欠かせないコンテンツになっている。芸能事務所に所属してCD発売やチアカードなどのグッズ展開も行われている。知名度の低い選手より有名なチアもいるほどで、グッズ収入など球団にとっては無視できない存在。チア卒業後に芸能界に進出する人もいる」(大手広告代理店関係者)
「巨人をはじめチアダンス・スクールを開校している球団は多い。ダンスを習うだけでなく、試合前のグラウンド上でパフォーマンスを行えるため人気が高い。また地元の幼稚園や小学校を巡回してダンス教室や交流会を行なっている球団もある。野球だけでなく他競技でもチアは増えており、プロスポーツに欠かせないコンテンツになっている」(巨人担当記者)
NPBのチアは1978年に阪神が初めて採用。1年のみで解散した後、川崎球場時代のロッテが続いたという(1991年で消滅、現在のものとは別)。その後は巨人、日本ハム、ダイエー、中日、近鉄とドームを本拠地とした球団に誕生。現在は広島を除く全球団で結成されている。
「チアは女性の華やかさを楽しめるのが魅力。だが、同時に球場には着替えスペースも必要となる。昔ながらの古くて不衛生な球場では人材確保も含めて導入が難しかった。ドーム球場を本拠地とする球団からチア導入したのは当然の流れ。球界再編後、各球団は球場改修を進めたスタンドと同時に、控室などのバックグラウンドにも手を加えた。チアの控室を併せて増設した球場は多い」(関東テレビキー局スポーツ担当者)