広島がかつて本拠地として使用していた広島市民球場は施設的な面でチアの導入が難しかったであろうことは想像できる。しかし、2009年に開場したマツダスタジアムは更衣室などのスペース確保は可能なはずであり、チアの導入は可能なはずだ。

 では、なぜチアが存在しないのか。広島は他のチームと違い市民球団であるため、コストがかかるチアを導入しないという声もある。また、広島は“保守的”な土地柄というのが影響しているのではないかと分析する人もいる。

「他球団と異なり、広島は異なった理由からチア導入に踏み切らないのではないか。まず第一に考えられるのは、野球に対する昔ながらの思想、グラウンドは神聖な場所という考え方です」(関東テレビキー局スポーツ担当者)

「広島は球場、ファンサービスなどで米国流のものを積極的に取り入れている。始球式には老若男女、さまざまな人が登場。ベンチ横にはホームランガールが常駐する。しかし露出度が高い衣装を着て、グラウンド上でパフォーマンスをするチアは別物なのかもしれない。戦後の復興を支えてくれた野球を、心から愛して大事にする広島球団のプライドもあるのではないか」(広島担当記者)

「米国でも露出度の高いチアに関しては、常に議論の対象にもなっている。比較的オープンな西海岸に比べ、東海岸の球団では女性団体などから抗議が届くのは日常茶飯事。スポーツはエンタメと割り切っている米国ですらそういう状況もある。広島でもそういった意見が出るのも考えられる」(大手広告代理店関係者)

 一世を風靡した「カープ女子」を始め、広島は女性ファンを大事にすることでも有名だ。またMLBフィリーズのフィリーファナティックを参考に作られたキャラクターのスラィリーは、米国仕様そのもの。球場中を所狭しと動き回り、セグウェイ(電動立ち乗り二輪車)走行も行う。ファンサービスのためには積極かつ柔軟な姿勢を持っているが、チアとなると話は別なのかもしれない。

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今後のチア結成はあるのか?