オリックスがヤクルトを4勝2敗1分で下し、前年の雪辱をはたすとともに、26年ぶりの日本一に輝いた2022年。佐々木朗希の完全試合をはじめ、史上最多タイの5人がノーヒットノーランを記録し、村上宗隆が日本人最多の56本塁打の快挙と併せて史上最年少(22歳8カ月)の三冠王を達成するなど、記録づくめの1年でもあった。
その一方で、珍プレーや珍ハプニングなどの“B級ニュース”もよりどりみどり。今回はレギュラー獲りや1軍昇格を目指す若手、中堅選手が“主役”になった珍場面3題を紹介する。
“ランニング3ラン”がまさかのハプニングで幻と消えたのが、4月20日の西武vsロッテだ。
ノーヒットノーランが続出したシーズンを象徴するかのように、両チームとも6回まで無安打無得点という投手戦が続くなか、7回に先発・松本航が初安打を許した西武はその裏、先頭の山川穂高が美馬学から「お返し!」とばかりにチーム初安打となる左前安打を放ち、1死二塁から呉念庭の右中間二塁打で待望の1点を先制した。
さらに1対0の8回にも、金子侑司が3番手・広畑敦也のグラブを弾く内野安打を放ち、犠打と申告敬遠で2死一、二塁とチャンスを広げる。
そして、次打者は7回に山川の代走で途中出場し、そのまま4番DHに入っていた6年目の鈴木将平。4月5日の楽天戦で2年ぶりのプロ2号を放つなど、打撃好調とあって、カウント2-2から広畑の5球目、151キロ直球を鋭くセンターに打ち返した。
この打球をなんと、ダイレクトキャッチを試みた高部瑛斗が後逸してしまい(記録は中前安打とエラー)、ボールが外野フェンスまで転々とする間に、2者が生還。鈴木も50メートル5秒8の俊足を飛ばして、一気に三塁を回った。
ところが直後、鈴木は足がもつれて、スッテンコロリンと派手に転倒。起き上がるやいなや、三塁に戻ろうとしたが、ヘッドスライディングも空しく、タッチアウトになってしまった……。