坂本勇人の代打に同姓同名の坂本勇人が登場する珍事が実現したのが、5月25日の巨人3軍vsテイ・エステックだ。

 右膝内側側副じん帯損傷で3軍調整中の坂本勇人が、3番DHで25日ぶりの実戦に出場したこの試合。回復具合が注目された坂本は、遊ゴロ、二飛と2打席凡退したあと、5回の3打席目に代打を送られて交代したが、その代打が2年目の育成捕手・坂本勇人だった。

 登録名は「坂本」「坂本勇」と区別しているものの、「バッター、坂本に代わりまして、坂本勇人」の場内アナウンスが流れると、見ているほうは混乱させられるのも事実だった。

 同姓同名の先輩と初めて同じ試合に出場した背番号「006」の坂本勇は、見事中前安打を放ち、存在をアピールした。

 3月13日の春季教育リーグ、西武戦では9回に同点3ランを放つなど、ここ一番での勝負強さが売りの坂本勇だけに 来季は支配下をかち取り、1軍の試合で“両坂本”揃い踏みを見せてほしいものだ。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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