■矢野燿大監督(阪神) 評価:C

 開幕9連敗という最悪のスタートから何とか立て直してAクラス入りを果たした阪神。最終的なチーム成績だけ見ればそれほど悪くないが、戦力を考えるとこの結果はやはり物足りない。投手陣では西純矢、湯浅京己、浜地真澄が大きく成長し、着実に底上げできたものの、気になるのは野手だ。大山悠輔と佐藤輝明のポジションと打順を固定することができず、ここ数年の課題であるチーム全体の守備面も最後まで解消されなかった。もちろん監督だけの責任ではないが、楽しみな若手は多いだけに、どうしてももったいないという印象が強い。キャンプイン直前にシーズン終了後の退任を発表するという異例の事態も、振り返ってみると得策だったとは言えなかったのではないだろうか。

■原辰徳監督(巨人) 評価:C

 新たに3年契約を結びなおした最初のシーズンだったが、終わってみれば5年ぶりのBクラスに終わり、ペナントレース終了後には進退伺も提出するという苦しい結果に終わった。大きな課題となっているのが野手の世代交代だ。今年はウォーカー、ポランコがまずまずの成績を残し、中田翔も復活の兆しを見せたものの、長くチームを支えることができそうな若手、中堅は岡本和真だけという状況は変わっていない。一方の投手は4年目の戸郷翔征がエース格となり、楽しみな若手が多いだけに、より野手のベテラン、外国人頼みが目立つ印象だ。ドラフトでは浅野翔吾、萩尾匡也、門脇誠という楽しみな選手を支配下で指名しているが、彼らをより早く一軍の戦力へと引き上げることができるかが今後の大きなポイントとなりそうだ。

■佐々岡真司監督(広島) 評価:D

 勝負の3年目のシーズンだったが、結果は前年を下回る5位に終わり、ペナントレース終了後には退任が発表された。鈴木誠也の抜けた穴は確かに大きかったが、先発投手陣はそれなりに力のある選手が揃い、抑えの栗林良吏も安定していただけに、やり方によっては上位も狙えたのではないかという印象は否めない。チーム打率はリーグ1位、得点数はリーグ2位、得失点差もプラス8でリーグ3位と決して悪い数字ではないにもかかわらず、5位に沈んだという点はやはり監督を含めたベンチワークに問題があったと言わざるを得ないだろう。3年間を振り返るとルーキーの投手を積極的に起用して戦力とし、若手の抜擢についてはある程度の結果を残せたものの、チームを勝利に導くという点ではやはりあらゆる点が不足していたと言えそうだ。

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監督に就任した“ミスタードラゴンズ”の評価は?