今季から中日を指揮する立浪和義監督
今季から中日を指揮する立浪和義監督
この記事の写真をすべて見る

 オリックスの26年ぶりの日本一で幕を閉じた今年のプロ野球。ペナントレースではセ・パ両リーグとも昨年の優勝チームが連覇達成というシーズンとなったが、果たして指揮官の手腕はどうだったのか、改めて振り返ってみたいと思う。今回はセ・リーグの6球団だ。※評価はA~Dの4段階

【年俸ランキング】2022年セ・リーグ個人年俸上位20傑はこちら

*  *  *
■高津臣吾監督(ヤクルト) 評価:A

 惜しくも日本シリーズではオリックスに敗れたものの、見事セ・リーグ連覇を達成した。昨年と同様に光ったのが投手陣のやりくりだ。エース格として期待された奥川恭伸が故障で戦力にならず、規定投球回をクリアしたのは小川泰弘だけだったが、先発ではサイスニード、原樹理、高梨裕稔、リリーフでは木沢尚文、田口麗斗らが成績を伸ばすなど底上げに成功した。特定の投手に負担をかけない起用法は見事という他ない。野手も3年目の長岡秀樹、2年目の内山壮真、ルーキーの丸山和郁を抜擢し、いずれも大きな戦力となった。三冠王に輝いた村上宗隆が取り上げられることが多かったが、もう一人の中心である山田哲人が不振で、他にも故障者が出た中でも首位を独走できたのはやはり高津監督の手腕によるところが大きかったと言えそうだ。

■三浦大輔監督(DeNA) 評価:B

 前年の最下位から一転、2位へと躍進を遂げた。昨年苦しんだ投手陣は今永昇太と大貫晋一が先発の柱となり、リリーフも伊勢大夢、入江大生といった若いメンバーを主力へと成長させている。少し特定の投手に対する負担が大きいように見えるのは気がかりだが、昨年と比べると確実に投手陣の整備は進んだ印象だ。一方の野手は大きな上積みはなく、オースティンが怪我でほとんど戦力にならなかったのは誤算だったが、森敬斗、蝦名達夫の2人を引き上げて、一軍の戦力にしたことはプラス材料である。来季は抑えの山崎康晃の去就が不透明で、野手も牧秀悟以外の主力がベテランに差し掛かっているだけに、リリーフ陣と打線のてこ入れが課題となる。そういう意味でも今年以上に新たな戦力の発掘が重要なシーズンになりそうだ。

次のページ
5年ぶりのBクラスとなった巨人は…