ドイツ戦での歴史的勝利で世界の注目を集めるサッカー日本代表。27日の第2戦で戦うコスタリカは世界ランキング31位と、1次リーグの対戦国で唯一、日本(24位)にとって格下の相手だ。日本がコスタリカに勝って、スペインが対ドイツ戦に勝つか引き分ければ、決勝トーナメントへの進出と2大会連続での16強入りが決まる。
【写真】ドイツ戦で「名解説」と絶賛された元日本代表選手はこの人
否が応でも期待が高まる第2戦を前に、『地理×文化×雑学で今が見える 世界の国々』を参考に、コスタリカという国について知っておきたい。
コスタリカ共和国は、南北アメリカを結ぶ地峡地帯に位置し、北はニカラグア、南はパナマと国境を接する小国。国名の「Costa Rica」は「裕福な海岸」という意味で、最初にそう呼んだのはコロンブスだといわれている。1502年にコロンブスがコスタリカにたどり着いたとき、先住民が美しい金の装飾品を身に着けていたことがその由来だ。とはいえ、他の国と違って金銀、鉱山などの資源は乏しかった。そのことが幸いし、乱開発が行われなかったため、コスタリカの自然はほぼ、植民地以前のまま。文字通り自然豊かな「裕福な海岸」が残されたというわけだ。
コロンブス到達以降、乱開発はされなかったものの、ヨーロッパの植民地支配を受け、1800年以降に周辺国と同じく独立を果たした歴史を持つ。独立後は大統領選での不正、クーデター、内戦などで国が乱れるも、鉄道整備やバナナ、コーヒー豆などの輸出で国力を強化し政情を安定させていく。そして中米紛争まっただ中だった1983年に非武装中立を宣言。中米和平合意に尽力したオスカル・アリアス大統領(当時)は、1987年にノーベル平和賞を受賞した。「中米のスイス」とも呼ばれるゆえんだ。
国土の24%が国立公園もしくは自然の保護区に指定されており、国内には森の宝石とも呼ばれているモルフォチョウなどがすむ。ほかにも多くの動植物が自生・生息し、この国に世界の動植物の5%が存在するといわれている。豊富な自然はもちろん、美しいビーチも観光客に人気。首都周辺も一年中穏やかな気候で、教育や社会保障といった国民政策に力を入れている。最新の世界幸福度ランキング(2022年)では23位と、日本の54位を大きく上回っている。