今季限りで現役を引退したアルバート・プホルス一塁手(カージナルス)は22年間のキャリアの中で2度の大型契約を経験。そのうち1回目は2004年2月にカージナルスと結んだ8年総額1億1600万ドル(約161億円、最終年の契約オプション込み)の契約だった。プホルスはこの年24歳。01年のメジャーデビューから3年連続で「打率3割・30本塁打・100打点」をクリアし、新人王と首位打者を獲得するなど若きスーパースラッガーとしての地位を早くも確立していた。

 大型契約後もプホルスのバットは快音を響かせ続け、契約満了1年前の10年まで「打率3割・30本塁打・100打点」を途切れさせることがなかった。09年からは2年連続で本塁打王のタイトルを手にし、オールスターには当たり前のように毎年選出。シルバースラッガー賞には4回、ゴールドグラブ賞には2回輝き、リーグMVPは3回も獲得している。

 11年こそ打率2割9分9厘、37本塁打、99打点で大台にわずかに届かなかったものの、8年間で打率3割2分6厘、331本塁打、948打点(1年平均では41本塁打、118打点)。さらに06年と11年にはワールドシリーズ優勝にも貢献した。

 なおプホルスは11年オフにエンゼルスと10年2億5400万ドル(約353億円)と自身2度目の大型契約を結んだが、この間は一度も打率3割に届かず、30本塁打以上のシーズンは3回、100打点以上は4回あったもののタイトルには縁がないまま契約最終年の21年途中にドジャースへ放出された。エンゼルスでは通算で打率2割5分6厘、222本塁打、783打点。高額年俸に見合った活躍はできず、ワールドシリーズの舞台に立つこともなかった。

 MLBでの大型契約を振り返るならば、やはり2001年1月にレンジャーズと当時のスポーツ界で最高額となる10年総額2億5200万ドル(約350億円)の契約を結んだAロッドことアレックス・ロドリゲス内野手を避けては通れない。25歳にして若きスーパースターではあったAロッドだが当時の常識を超える超大型契約には否定的な意見も多く、特に古巣であるマリナーズファンからは金の亡者呼ばわりされ、蛇蝎のごとく嫌われる羽目になった。

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やっぱり凄かったAロッド