MLBのストーブリーグもいよいよ本格化し、アーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース:カッコ内は今季所属球団、以下同)をはじめとして10年近い超大型契約を結びそうな有力選手の去就に注目が集まっている。
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21世紀になってから顕著になってきた長期の高額契約だが、MLBファンの方ならご存じのとおり契約期間中に故障や不振で期待に応えられず「不良債権」化してしまう選手も珍しくないなど弊害も指摘されている。だが大型契約を結んだ選手がそれに見合った活躍を続けた例がないわけではない。今回はそうした「Win-Win」の大型契約を紹介する。
何をもって成功や失敗とするかだが、比較的コンスタントに好成績を収め続けたか、ワールドシリーズ制覇を含むプレーオフ進出に貢献できたかどうかなどは基準としていいだろう。その点で言えば、2001年からレッドソックスと8年1億6000万ドル(約222億円)で契約したマニー・ラミレス外野手は合格ではないだろうか。
1993年にインディアンスでメジャーデビューしたラミレスは98年に45本塁打、145打点をマーク。99年には打率3割3分3厘、44本塁打、リーグ最多の165打点をマークし、29歳となる2001年からレッドソックスと大型契約した。
以降の8年間でラミレスは全てオールスターに選出、06年までは6年連続でシルバースラッガー賞にも選ばれた。主要スタッツも打率は6年で3割以上(残り2年も2割9分台)、本塁打は7年で33本以上(うち3年は40本以上)、打点も7年で100の大台に乗せた。02年は打率3割4分9厘で首位打者、04年は43ホーマーで本塁打王を獲得。そしてなにより、04年と07年の2度に渡ってワールドシリーズ制覇に貢献し、04年にはシリーズMVPも獲得した。
契約最終年の08年途中にはドジャースへトレードされたが、この8年間の通算成績は打率3割1分6厘、291本塁打、921打点(1年平均では36本塁打、115打点)だった。ちなみにラミレスは37歳となる09年以降は一度も20ホーマーを超えることなく11年を最後に現役引退。レッドソックスはまさに絶妙な契約期間でラミレスの全盛期を手中にしたと言えるだろう。