ワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本は2試合を終えてグループEの2位につける。勝ち点は3。ただし、第3戦のスペイン戦の結果いかんで、首位にも最下位にもなる状況だ。つまりラウンド16進出も、グループステージ敗退も、どちらもあり得る状況にある。
スペインに勝つことは簡単ではない。第2戦のスペイン対ドイツはここまで消化した試合の中でも屈指の内容だった。球際の激しさ、切り替えの速さ、その中でもブレない技術の高さ。代表レベルでこれほど連動性と組織力、技術をぶつけ合う試合はそうはないだろう。
■「スペイン決勝T進出100%だ」
スペインメディアも、その内容には自信を持っていた。試合翌日、日本代表の練習に訪れた記者を直撃した。日本対スペインはどんな試合になると予想するか、と。
「日本はグッドチームだけど、スペインが多くの時間でゲームをコントロールすることになるだろう。そうなったら日本は難しい試合を強いられることになる」
スペイン「Marca」紙のファン・カストロ記者はそう指摘し、「スペイン優位は動かない」とも。日本に勝ち目はあるのか?
「カウンターで何度かチャンスを作るかもしれない。ひょっとするとゴールも決めるだろう。でも、今大会のスペインは調子がいい。日本が勝つ確率? それはわからないが、スペインが勝つ確率ももちろんわからない。でもスペインが決勝トーナメントに進む確率は100パーセントだよ」
スペインにとって警戒すべき選手は?
「カマダ。フランクフルトで良いプレーをしている。彼は要注意だ」
昨シーズンのUEFAヨーロッパリーグで、鎌田大地が所属するフランクフルトと準々決勝で対戦したバルセロナ。ホームの1stレグを1-1で引き分けながら敵地カンプ・ノウの2ndレグを3-2で制し、合計スコア4-3として準決勝進出を決めた。その後に準決勝でウェストハムを下し、決勝でレンジャーズを破って大会を制した。その記憶がカストロ記者にあるのだろう。
「わからないのは、タケがあまり使われていないこと。レアル・ソシエダでとてもいいシーズンを過ごしているし、彼の実力をスペインはわかっている。使われないのならわれわれにとってはいいことかもしれないが、日本はなぜ彼を常に起用しないの?」
久保建英はここまでドイツ戦の前半のみのプレーに留まっている。スペイン戦では先発が予想されるが、同国の記者にとっては主軸を担うべき存在ということなのだろう。