2003(平成15)年に巻誠一郎(駒澤大)と中村憲剛(中央大)、2006(平成18)年には平山相太(筑波大=中退)、2008(平成20)年になって長友佑都(明治大)がJリーグデビューを果たしている。平山は国見高で高校サッカー選手権優勝・得点王を経験し、鳴り物入りで筑波大に入学した。長友は東福岡高からスポーツ推薦ではなく指定校推薦枠で明治大に進学し、サッカー部に。後に、けがで試合に出られず観客席で太鼓を叩いて応援していたことが週刊誌で報じられると、世界中に発信され話題になった。
2010年代前半になると、大学出身者数は減少傾向をたどるが、2014(平成26)年、3部リーグのJ3が発足したこともあり、大学出身Jリーガーが盛り返す。日本代表となり海外でも活躍した選手に、田中順也(順天堂大)、永井謙佑(福岡大)などがいる。
2010年代後半の大学出身の日本代表経験者は、現在も代表や所属チームで主力として活躍している。前出の長友佑都、武藤嘉紀(慶應義塾大)、東口順昭(福井工業大、新潟経営大)、シュミット・ダニエル、古橋亨梧(中央大)、伊東純也、佐々木翔(神奈川大)、守田英正(流通経済大)などだ。
東口はガンバ大阪ジュニアユース出身だが、ユースチームへ昇格できず、洛南高から福井工業大に進学する。だが、同大学のサッカー部が解散したため、新潟経営大に編入。ここでユニバーシアード代表となり、のちにJ1のアルビレックス新潟入りした。2011(平成23)年に日本代表に初選出され、2021(令和3)年まで継続して選ばれていた。
守田は金光大阪高校から流通経済大に進んだが、大学2年までは無名選手だった。だが、3年から主力となり、ユニバーシアード代表に選ばれJリーグ入りする。そして2018(平成30)年に日本代表へ。Jリーグの大学出身選手の出身をみると、ここ数年、流通経済大が1位もしくは2位となっている。大学がサッカーに力を入れていることに加え、付属校でサッカー強豪校の流通経済大柏高からの進学者が多いことで有力選手が集まるからだ。大学選手権では2014年、2017年に優勝している。このような強い大学チームという環境が良かったのだろう。