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■ずっとあたたかい「今、ここで」の言葉

 話せてよかった、という相手への感謝やいたわりの言葉は、身近な人にこそ伝えたいもの。日ごろから私たちは、照れや甘えがあって、感謝の言葉を伝える勇気、というと大袈裟ですが、きっかけや勢いをなかなか持てません。

 例えば別れ際、親しい友人や家族にはつい、「じゃあね!」「バイバイ」といったくだけた言葉になりがちです。せっかくだから、別れ際こそ気持ちを言葉にしてみませんか。

<今日は話せて本当によかったよ>
<◯◯さんも体調に気をつけて、よい週末をお過ごしくださいね>
<相変わらずお忙しいご様子ですが、ゆっくりできる時間が少しでもありますように>

 慣れていないなら、シンプルに、

<しっかり睡眠とってね!>
<どうか元気でね!>

という一言でも心にしっかり残ります。

 私自身、コロナ禍でなかなか実家に帰れなくなってからは、両親に「今日は久しぶりに直接いろいろ話せてよかった」「元気な顔が見られて安心したよ」といった言葉を別れ際にかけるようになりました。

 初めは、伝えるほうも受け取るほうも気恥ずかしくて、くすぐったいものがありました。でも、ギクシャクしながらも伝えることができたその瞬間から、胸の奥が軽くなったり、後々「あのときは素直に伝えられてよかったな」とじんわり効いてくるものです。

「ありがとう」「うれしかった」の気持ちを伝えることは、誰にとっても悪いことではありません。失敗することがない、リスクゼロ、成功率100パーセントのコミュニケーションです。

 次回、大切な誰かに会えたとき、家族でも友人でも、「またね」のあいさつともに、照れながらでも「今日はありがとう」の一言を思い切って渡してみてください。

 勇気を持ってやりとりしたその言葉は、その後何年経ってもお互いの心をあたため続けます。

【ここまで聴いてくれたあなたへ】
別れ際の言葉は、「相手へのプレゼント」。
いつもより相手の深いところに届きます。

(構成/小川由希子)

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