B.LEAGUE・島根スサノオマジックが見据えるは世界の舞台。目標に掲げるのは英国サッカーのマンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)だ。
【写真】島根スサノオマジックのチアパフォーマンスグループ「アクア☆マジック」
「どこに根拠があり、何がやりたいのか?」を同クラブの代表取締役CEO・田中快氏に聞いた。
島根県は人口約66万人、長年に渡り過疎化の代名詞とも言われてきた。この場所から「世界中にファンが存在するメガクラブを目指す」というのは荒唐無稽な夢物語に聞こえる。
* * *
ーー「世界中に知られるクラブを目指す」と語っています。
田中快氏(以下田中):マンUの本拠地マンチェスターは人口約55万人の町です。そこに多くの人が名前を知るメガクラブがあり、世界中に何億人もファンがいる。島根県全体の人口と変わらない規模の町なので違和感はありません。
ーー方法次第では可能性はあるか。
田中:島根県周辺だけで考えると難易度は高い。ですが当初から日本中や世界を見ていましたから、分母(=人口)の少なさは問題にしていません。今世界はボーダレスでつながっていますから、島根を中心に認知度を広げたい。
●神様の国が紡いだ「ご縁」
島根スサノオマジックは同松江市を本拠地に2007年に立ち上がった。元々バスケットボールが盛んな土地であり、スポーツを通じての地方再生等も目指している。当初は地元企業などの有志で立ち上げられた株式会社山陰スポーツネットワークが運営母体。2010-11年シーズンからB.LEAGUE前進のBjリーグへ参加、2016-2017年シーズンからB.LEAGUEで活動している。2019年にバンダイナムコエンターテインメント(以下バンダイナムコ)が株式を取得し、運営会社となった。
ーー言葉は悪いですが島根県は日本有数の過疎地。イチ企業として勝算は感じましたか?
田中:弊社は以前バンダイナムコゲームスという社名でゲーム事業を主に展開していました。そこから2015年にバンダイナムコエンターテインメントに社名を変更、ゲーム以外の分野にも事業を積極的に広げてきました。「エンタメの最高峰であるスポーツ事業にもチャレンジしよう」ということで取組先を探していました。