ーー数値目標をクリアして新B1参入することだけが全てではない。
田中:数値目標だけをクリアすれば良いという事ではないという事です。今は新B1構想が出たばかりで世間的に少し視野が狭くなっていると感じます。冷静かつ客観的に本筋を見据えていきたい。まずはファン、県民が喜ぶことをする。そうすればスサノオマジック、B.LEAGUEが発展するはずです。それらを進めていく中で新B1の基準も自ずと超えていけば良いと思います。
ーー時間は迫るとはいえ心配はしていない。
田中:「現時点ではリーグが示す基準には達していない」とは思っています。審査期間に入りましたが決定を下す段階でもない。B.LEAGUEも「基準値は出しているので、みんなで進んでいこう」ということだと思います。リーグへの信頼感は強い。一緒にやっていくべきことです。
●世界へ誇れる「神様の国」のブランドがある
新B1参入基準が発表され各メディアで話題となるのは、やはり島根のチームだからだろう。チームの商圏である島根県松江市、安来市、出雲市、鳥取県米子市を合わせても人口約60万人。これは千葉ジェッツの本拠地である船橋市とほぼ同数、人口に関して不利なのは間違いない。しかしそれを補って余りあるものをチームは保有している。「島根」「須佐之男命」という、世界へ誇れる「神様の国」ブランドだ。
田中:「神様の国」である「島根」というワードは世界に出しても魅力、インパクトがある。チーム名も「須佐之男命」から取っています。
ーー若い世代にも島根県は旅行先として人気急上昇中です。
田中:「島根県は神様の国、出雲大社があって神在月です」と言えば伝わるし特別感がある。そこに存在するバスケットボールチームです。将来NBAチームと試合をする事があれば、「神様の国から来たチーム」と米国中で話題になるはず。世界目線で絶対に魅力があります。
ーー世界を視野に入れている理由ですね。
田中:今でも海外では「島根=神様の国」で通じる場合がありますが、それを広げたい。世界に向けてアピールをしやすい県、チームです。まずは東京、ニューヨーク、ロンドン、ミラノと同様、世界中の人に島根という名を知って欲しい。マンチェスター等、多くの前例があるので島根もなれる。