1930年、演説する浜口雄幸首相
1930年、演説する浜口雄幸首相

 また、コロナ禍で中小企業を支援するために行われた「ゼロゼロ融資」(実質無利子・無担保)が今年5月ころから有利子化、つまり、利子を払う必要が出てくるため、ここでも破綻する企業が出てくるでしょう。

 政府はリスキリング(学びなおし)をして成長産業に転職すればいい、と考えているようですが、中高年にとってそれはかなりハードルが高い。結局は、非正規職にしか就けず、年収が激減。そうした人たちを、強い企業が安い賃金で雇うような状況になるのではないでしょうか。

 昭和恐慌では4人に1人が失業しましたが、同じような恐慌になるかもしれません。私は、大学を卒業する学生の就職口がないような社会にはしたくないと思っていますが、就職氷河期が再び来るような強い懸念を持っています。

 岸田首相は、憲政史上最悪の首相になるかもしれません。今年の統一地方選で、自民党は惨敗するのではないでしょうか。早く経済政策が正常化することを望んでいます。

(構成/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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