プロ入り当初はなかなか結果が出ずに苦しんだが、昨年は二軍で秋広に次ぐチーム2位となる76安打を放ち、試合出場こそなかったものの7月には一軍初昇格も果たした。パワー自慢だが、意外に三振が少なく対応力も低くない。1年目から大きな故障がなく、順調に成績を伸ばしているというのも魅力だ。貴重な生え抜きの大砲候補だけに、首脳陣の期待も大きい。
冒頭でも触れたように、大型補強はなくても実績のある選手は多く、若手にとってはレギュラー、一軍定着は簡単ではないが、去年は8人もの投手がプロ初勝利を記録するなど世代交代の機運が高まっていることは確かだ。将来のチームを考えても、今年は大きな転換期となる可能性が高いだけに、ここで紹介した以外からも大きく飛躍する選手が登場することを期待したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。