昨年は救援防御率がセ・リーグ最下位とリリーフ陣に苦しんだが、そんな中で期待したいのが菊地大稀だ。2021年の育成ドラフト6位という低い順位でのプロ入りだったが、開幕から二軍で結果を残すと1年目の4月に早くも支配下登録を勝ち取っている。この成長ぶりには巨人のスカウト陣からも驚きの声が出ていたほどだった。
一軍では16試合に登板して0勝2敗、防御率5.60と目立った成績を残すことはできなかったが、17回2/3を投げて21奪三振を記録。また二軍では抑えに定着して11セーブ、防御率2.42、奪三振率13.30と見事な成績を残している。長身から投げ込むストレートはコンスタントに150キロを超え、縦のスライダー、フォークと空振りを奪える決め球があるのは大きな魅力だ。走者を背負ってからの投球が改善できれば、勝ちパターンの中継ぎに定着する可能性も高いだろう。
一方の野手で昨年開花の兆しを見せたのが増田陸だ。井上と同様に2021年のオフには一度育成契約となったが、昨年はキャンプ、オープン戦でアピールして3月には早くも支配下に復帰。5月には一軍で初ヒット、初ホームランを記録すると、夏場に成績を落としたものの69試合に出場して35安打、5本塁打、打率.250とまずまずの成績を残した。魅力は何といっても思い切りの良さで、35安打中11本が長打とパンチ力も申し分ない。
昨年はファーストを守ることが多かったが、高校時代はショートだっただけに脚力と肩の強さも持ち合わせており、昨年の秋季練習からは外野の練習を続けている。ライバルは多いものの、全力でプレーするスタイルはチームに勢いをもたらすだけに、今年は1年を通じて一軍定着を目指したい。
一軍で実績のない選手では身長2メートルの秋広優人に早くから注目が集まっているが、もう1人飛躍を期待したいのが今年4年目の菊田拡和だ。高校時代は“常総のバレンティン”の異名をとった右の強打者で、3年春にはセンターまで122メートルのJ:COMスタジアム土浦でバックスクリーンを超える特大アーチも放っている。