2月17日に31年目のシーズンが開幕するJリーグ。各クラブはすでに新体制が始動しているが、その中で注目したいのが「高卒新人」である。昨季は青森山田高校からFC東京に入団した松木玖生が開幕スタメンからリーグ戦31試合に出場(2得点)して主力として活躍したが、果たして今年も高体連出身の“スーパールーキー”が出現するのか。世代No.1のビッグネームだったFW福田師王(神村学園高)は、Jリーグを経由せずに欧州行き(ドイツ・ボルシアMGに入団)を決めたが、彼以外にも入団1年目からJ1のピッチで活躍する可能性を持つ選手は多くいる。
まずは福田の相棒だったMF大迫塁(神村学園高→C大阪)だ。精度の高い左足でゲームをコントロールする天才肌の司令塔。中学時代から名を馳せ、U-15、U-16と世代別代表でも活躍した後、高校3年になる前の2022年2月にC大阪への加入が内定した。キャプテンマークを巻いて4強進出に貢献した今冬の選手権でも、ピッチ中央から長短のパスで相手の急所を突くだけでなく、自らバイタルエリアへ侵入して決定機を作り出し、ピンチの際には自軍の奥深くまで戻って体を張り、セットプレーのキッカーとしても相手の脅威となった。2ボランチが基本のC大阪では、33歳の奥埜博亮、29歳の原川力、25歳の鈴木徳真の3人が主力に君臨。22歳の喜田陽に加え、1同学年下でユース昇格組の石渡ネルソンも強力なライバルになるが、大迫には左利きという利点もあるだけに、小菊昭雄監督も「使ってみたくなる」はずだ。
若手育成に定評のある桜軍団には、スピードに特徴があるMF阪田澪哉(東山高→C大阪)も加入した。自慢の高速ドリブルを武器に、高校2年時に選手権ベスト8、今冬の3年時には決勝進出に貢献。大迫と同じく3年になる前の2022年3月にC大阪の加入内定を決めており、Jリーグの舞台で戦うイメージを持って1年間を過ごしてきた。サイドの攻撃的MFには、清武弘嗣や為田大貴、新加入のジョルディ・クルークス、さらに毎熊晟矢もいるが、阪田の裏抜けと突破力はすぐにでも通用するものがある。交代枠5人が定着した中で、後半途中からのジョーカー的な起用法なら1年目からチャンスがあるはずだ。そこで経験と自信を得ることができれば、可能性はさらに広がることになる。