メジャー移籍を目指した2020年のオフからは状況も変わっている。コロナ禍が収束しつつある中で、米国では大型契約が相次いでいる。今オフにメジャー移籍を果たした千賀滉大(ソフトバンク→メッツ)、藤浪晋太郎(阪神→アスレチックス)の投手2人も日本時代とは比べものにならない年俸を手にするなど、メジャーに行きやすい環境はかつてより揃っている。

「(菅野は)全盛期に比べると安定感はなくなってきている。しかし多くの球種を自在に操ることができ、四球で自滅するタイプでもない。投手としてスタミナも十分なので先発として期待できる。契約期間は2年程度で年俸10~12億円程度ならお買い得と考える球団はいくつかあるだろう」(MLBアジア地区担当スカウト)

 様々な条件を考慮するとメジャー挑戦は決して荒唐無稽な話ではない。菅野が自身の野球人生の終着点をどう考えているかで未来も変わってくるだろう。

巨人への愛は強く、今のチームに必要な選手ではある。将来的に監督になることを求める声があるのも事実だが、先のことは考えていないのではないか。マウンドに上がるのが大好きな野球小僧。メジャーで投げる姿を見たい気もするが、まずは巨人を日本一にして欲しい。その後は自分の思った通りにするのが良いのではないか」(アマチュア時代から知るスポーツライター)

 菅野は今季エースとして完全復活を果たし、巨人を日本一に導くことはできるのか。そしてその先のメジャー挑戦はあるのか。いずれにせよ菅野のモチベーションは信じられないほど高いはず。様々な意味でキャリアの岐路に立たされている右腕が開幕からどんな投球を見せてくれるのか注目したい。

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