巨人・菅野智之にとって今シーズンはキャリアの分かれ目になりそうだ。ここ2シーズンのエースとは決して呼べない成績を立て直すことができれば、一度は“夢に消えた”メジャー挑戦の可能性がゼロではないという声が聞こえ始めている……。
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「来季もジャイアンツの一員としてセ・リーグ優勝、日本一を勝ち取ることしか考えていません。チーム、個人ともにもっと高みを目指して進んでいきたいです」(菅野/2022年11月8日)
昨年オフに保有している海外FA権を行使せず、巨人に残留することが発表された。シーズンでは5年連続8度目となる開幕投手を任され23試合に先発登板。2年ぶりとなる2ケタ勝利(10勝)をマークしたが、シーズン序盤に右肘の違和感と発熱で登録抹消されるなど、年間を通じてチームに貢献することはできなかった。
「巨人残留は想定内で驚きはなかった。かつてのような絶対的な存在感はなく、2ケタ勝利をマークしたとはいえチームはBクラスに低迷。負けず嫌いで責任感の強い男なので、自分の気持ちだけを尊重することはできなかったのでしょう」(巨人OB)
菅野は原辰徳監督の甥にあたり、東海大相模高から東海大と同じコースを歩んだ。2011年のドラフトでは憧れの巨人に指名を受けながら、日本ハムが競合の末に交渉権を獲得。しかし菅野は希望していた巨人への入団を諦められず、1年間の浪人生活を経て、翌2012年のドラフト1位で入団した経緯もある。巨人でプレーすることへの思いは他の選手よりも強い。
「プロ入り時に各方面に多大な負担と迷惑をかけたことを今でも忘れていない。FAは選手の権利とはいえ、巨人を出る場合は相当の理由や説得力が必要なのも理解している。昨オフには移籍してチームを離れるという状況ではなかったのだろう」(アマチュア時代から知るスポーツライター)
「意志を貫き巨人入りしたことで背負った十字架は重い。2020年のオフにはポスティング制度を利用してのメジャー移籍目前まで行ったが、巨人残留を選択した。メジャー側と条件面で折り合いがつかなかったことが理由とされるが、日本シリーズ敗退直後だったのも理由の1つ」(在京テレビ局スポーツ担当)