赤坂 珉珉(東京都港区)が今回の対談場所。名物は焼餃子(660円)で酢とこしょうで食べるのが珉珉流。「酢こしょう」スタイル発祥の店とも言われる(撮影:キムラミハル)
赤坂 珉珉(東京都港区)が今回の対談場所。名物は焼餃子(660円)で酢とこしょうで食べるのが珉珉流。「酢こしょう」スタイル発祥の店とも言われる(撮影:キムラミハル)

トロ 自分で「町中華」と言い始めるようになってからは、流行るだろうと思ったよ。マグロさんのようにみんながすごく反応するし、「こういう店」ってイメージがだいたい一致するから。

マグロ 僕たちが思う町中華は、オムライスやカレーライス、定食なんかがあるお店。他にも「床がぬるぬる」「店の前に植木鉢が置いてある」とか(笑)。

トロ 日本人流中華というか、戦後のどたばたで生まれた文化だろうね。「カレーが食べたい」なんて言う客の要望に応えるうちに、メニュー化していった。

マグロ それと昭和創業の個人営業。

トロ そこは大事だね。地域に根付く個人店だから、よその町からお客さんにわんさか来てほしいとは思っていない。だから「常連さんの迷惑になることはお断り」「取材拒否」というお店が多い。それでもいろいろ取材するうちに、町中華の主人はほぼ全員がおしゃべりだとわかった。注文が入ってなくて女将さんがいなければ、いくらでも話してくれる(笑)。

トロ 僕たちが大事にしたい町中華は、ランキングサイトには載らないお店。もしくは評価が低いお店に好んで行く。

マグロ 美味しさはもちろん大切だけど、「まずい」と言われても長年やっているお店には何かいい点があるはずで、僕はそれを知りたい。みんなと違うものを食べてみたら、美味しかったりもするしね。

◆店ごとにストロングポイント

トロ 場所がいい、女将さんが面白い、店主にめちゃめちゃクセがあるとか、店ごとにストロングポイントがあるよね。

マグロ この対談のためにお借りした乃木坂の「赤坂 眠眠」は、住宅をお店に改造したそうだから、造りがかなり独特で面白い。

トロ 細道を入ったわかりにくい所にあるのに、今日も盛況みたいだね。

マグロ それと僕は町中華の魅力の一つに「出前」があると思うんだけど、テレビ番組で町中華を特集した時に出前に応じてくれたのが、原宿の「紫金飯店」だった。昼時はサラリーマンでいっぱいで、活気があるいいお店。

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女将が威勢よく仕切ってくれる