石川と同じ学年、同じセ・リーグの打者では井上広大(阪神)も有力な大砲候補だ。履正社では4番打者として3年夏の甲子園優勝に大きく貢献。将来の中軸候補としてドラフト2位でプロ入りした。これまでの3年間で一軍での出場は8試合、1安打に終わっているが、二軍では積極的に起用され続けており、昨年はウエスタン・リーグで2位となる11本塁打を放っている。110試合の出場で150三振を喫しているように、確実性はまだまだ課題だが、軽く振っているようでも飛距離が出る長打力は大きな魅力だ。今年は同じ外野手で右打者の森下翔太がドラフト1位で入団して高い注目を集めているが、プロでの3年間の経験を生かして今年は一軍でもある程度の結果を残したい。

 大学卒のスラッガーでは渡部健人(西武)の名前が挙がる。桐蔭横浜大4年の秋にリーグタイ記録の8本塁打、リーグ新記録となる23打点の大活躍で一気に評価を上げ、早川隆久(楽天)の外れ1位で西武に入団。1年目にはイースタン・リーグで本塁打、打点の二冠に輝くなど順調なスタートを切っている。しかし2年目の昨年は開幕から調子が上がらずに一度も一軍昇格を果たせないままシーズンを終え、二軍の成績も全てにおいてダウンとなった。気になるのは1年目に比べて三振数が減りながらも、ホームラン数も減少しているという点だ、井上のところでも三振数の多さに触れたが、このようなタイプの打者にとって三振数はホームランを打つための必要経費のようなものであり、村上も毎年100以上の三振を喫している。スイングに柔らかさがあり、打球の角度もホームラン打者らしいものがあるだけに、ある程度の三振には目をつぶってとにかくホームラン、長打を増やす方にフォーカスした方がよさそうだ。

 渡部と同じ大学卒でパ・リーグのスラッガー候補としては正木智也(ソフトバンク)と安田悠馬(楽天)にかかる期待も大きい。正木は慶応大で東京六大学を代表するスラッガーとして活躍。4年春に出場した大学選手権でも2本塁打を放ち、MVPも受賞している。ルーキーイヤーの昨年は右肘の故障で出遅れたものの、夏場以降に一軍で3本塁打を放ち、35試合の出場で8割を超えるOPSを記録するなど存在感を示している。

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安田も昨季いきなり本塁打を記録