設備投資の費用もかかる。各自治体の予算に応じて検討しているのが実情のようだ。
「高額な設備を導入している自治体では、不燃性のチッソガスを注入して、穴の開いていないスプレー缶をそのまま安全につぶす機械を使っているところもあります。導入するには、それなりに予算に余裕のある自治体でないとできないのかもしれません」(同前)
つぶされた金属の塊はリサイクル処理されている。
前出の大須賀専務理事は、
「もしスプレー缶の中身が半分くらい残っているのに捨てたいという場合は、屋外に出て、袋の中に新聞紙やボロ布を入れて全部噴いてください。その後に、キャップを取るとノズルの頭だけ出てくるので、それをガス抜きキャップにはめて、あとは放っておいてください。そうすると完全に空になります。それで穴を開けたとしても事故にはならないです。ただ、ガス抜きキャップを知らなかったり、知っていても使ったことがなかったり、という人が非常に多いです」
と話す。
「ガス抜きキャップ」の普及率は96~98%くらいあるというが、
「10年以上古いものにはついていないし、海外からの輸入品にはついていません。それと、シェービングクリームのようなものはエアゾールを使っているんですが、水分が多く、火がつかないのでガス抜きキャップはいりません」。
一方、スプレー缶に穴を開ける場合だが、市販のガス抜き用の器具で開けるのがいい。100円ショップやホームセンターなどで手頃な値段で売られている。なかには足で踏んで開けるような、多少大きめのものもある。



案外と知られていないスプレー缶の処理方法。自分が住む自治体のごみ出しルールについて、いま一度確認しておきたい。
(AERA dot.編集部 上田耕司)