W杯後も所属クラブのブライトンで活躍する三笘薫
W杯後も所属クラブのブライトンで活躍する三笘薫
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 カタールW杯後のサッカー界で大きな注目を集め、市場価値が急騰している日本人プレイヤーが、三笘薫(ブライトン)である。

【写真】かつては日本代表の10番 しかし現在くすぶっている選手といえば

 まさに「結果しか出さない男」だった。昨年12月26日のリーグ戦再開から今月2月4日までの約1カ月半の間に、公式戦8試合で5得点1アシスト(リーグ戦6試合で4得点)と絶好調。得意のドリブルで幾度となく左サイドを切り裂くとともに、1月21日のレスター戦でのカットインからの右足ゴラッソ弾や、1月29日のFA杯・リバプール戦でのダブルタッチからの芸術弾など、センセーショナルなゴールを決めてスタジアムで喝采を浴び、現地メディアから絶賛されることになった。

 この活躍に移籍マーケットも敏感に反応。移籍金の設定額が3100万ポンド(約50億円)と報じられるとともに、これまでにアーセナル、リヴァプール、チェルシーのプレミアリーグの「BIG6」と呼ばれるクラブ、さらにドイツの強豪ドルトムントが獲得に「関心あり」とされるなど、プレミア挑戦1年目で早くもビッグクラブへの移籍が取り沙汰されている。ブライトンのクラブ規模、経営戦略を考えても、現在25歳の三笘の将来がこのままイングランド南東部の海浜リゾート都市にあり続けることは考えられない。だが、移籍にはリスクも付き物であることも確か。果たして三笘は今夏、欧州ビッグクラブへと移籍すべきなのだろうか。

 明確な基準はないが、過去に欧州ビッグクラブでプレーした日本人選手は7人いる。ローマの中田英寿、インテルの長友佑都、マンチェスター・ユナイテッドの香川真司、ACミランの本田圭佑、バイエルン・ミュンヘンの宇佐美貴史、リヴァプールの南野拓実、アーセナルの冨安建洋だ。だが、その中でハッキリと「活躍&成功」と言えるのは、在籍7年で公式戦210試合に出場した長友のみだろう。

 中田はトッティとのポジション争いの中で途中出場が目立って在籍1年半でチームを後にし、香川は監督交代と自身の故障、不振によって在籍2年でドイツに出戻り。本田は在籍3年半で「10番」に値するプレーを披露できずにブーイングを浴び、宇佐美は公式戦出場5試合のみで1年限りで退団。南野は最後までカップ戦要員から脱却できず、一時は定位置確保した冨安も自身の故障もあって現在はサブ扱いとなっている。欧州リーグで活躍する日本人選手は珍しくなくなったが、ビッグクラブのチーム内競争を勝ち抜いて絶対的な地位を確立した選手は限りなく少ない。

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三笘はビッグクラブで定位置掴める?