全国豊かな海づくり大会の歓迎レセプションでも、雅子さまは晴れやかな笑顔を見せた/9月7日、秋田市で (c)朝日新聞社
全国豊かな海づくり大会の歓迎レセプションでも、雅子さまは晴れやかな笑顔を見せた/9月7日、秋田市で (c)朝日新聞社

 令和になって以来、皇后雅子さまの体調が良好そうに見える。「適応障害」は、もう心配ないのか。精神科医の斎藤環さんに好調の背景を聞いた。AERA 2019年10月28日号に掲載された記事を紹介する。

【写真】トランプ米大統領の妻・メラニアさんをエスコートする雅子さま

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 トランプ大統領の来日で、良いスタートダッシュを切れたことが大きかったと思います。令和の幕開けと共に念願だった皇室外交が実現し、通訳なしの堂々たる姿を国民に見せることができた。私たち国民にこれだけ強い印象が残っているのですから、ご自身にも大きな意味があったと思います。

 皇太子妃時代、愛子さま(17)と2人抱き合って嵐に耐えているような印象だったのが一挙に払拭され、花開いた。そういう自覚もおありではないでしょうか。スタートダッシュの成功だけでなく、皇后になったということそのものが良い作用をもたらしたと思います。

――斎藤さんは雅子さま(55)の「適応障害」を「実存のうつ」と解説してきた。生きる意味を失った時に苦しみが始まる、若い世代に増えているうつだ、と。
 
 平成の終わり、「雅子さまは皇后になったら、一転して元気になるのでは」と聞かれました。「実存は地位では埋められない」と答えましたが、うれしい誤算とでもいった状況になりました。

 天皇というのは、「地位」と「機能」が一致している存在です。組織のトップなら「形だけの存在」もありえますが、天皇にはない。地位にあることが、機能していることになる。「象徴」とはそういうもので、皇后もそのことを自覚したのではないでしょうか。私はこれでやっていくんだという強い覚悟が感じられます。

 決して良いことではないですが、女性週刊誌などで秋篠宮紀子さま(53)へのバッシングが目立っていることもあります。愛子さまが高校3年生になり、子育てのプレッシャーやストレスが減ったのも大きいと思います。

 皇太子妃時代に「苦手」とされていた大勢の人に囲まれるような場面でも、雅子さまはとても明るい笑顔を見せている。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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