こうした自民党組織の動きについては有権者も注目している。旧統一教会との関係性がはっきりしないため、議員に直接アンケートする動きもあった。
山口県では市民団体が県議に旧統一教会との関係についてアンケートをしたが、自民党所属の30人の現職県議のうち回答したのは5人だけ。
それを踏まえ、「県議と旧統一教会との関わりの調査と説明を求める」請願を県議会に提出したが、不採択に。担当者は「県民の問いに答えていない」と憤る。
千葉県でも自民党と統一教会の関係について「調査が十分ではない」と不満の声が上がっている地域があった。
習志野市では選出された県議や市議が、旧統一教会の会合にたびたび出ていたことがわかった。
千葉県議のI氏は、習志野市議だった時期の活動報告を見ると、2018年11月25日に「世界平和家庭連合 勉強会」とある。同年10月18日、25日にも「家庭平和連合(勉強会)」と記載されていた。
AERA dot.編集部が確認したところ、少なくとも2017年11月~18年11月に、計14回の会合に出席していた。
習志野市に住む男性は、「旧統一教会関連団体の平和大使に任命され、韓国で開かれた『ワールドサミット2020』にも参加したと言われています。しかし、I氏からこれらの関係について、一切説明はありません」と話した。別の市民からは「I氏の後援会関係者に尋ねてもほとんど否定されました」との声があった。
実際はどうなのか。I氏を直撃すると「家庭連合の勉強会には地元の人に誘われて参加するようになった。ほかの議員も参加していて、問題がある団体だとは気づかなかった」と話した。
平和大使に任命されたことや、韓国で開催されたイベント「ワールドサミット2020」に参加したことも事実として認め、イベントの参加についてはこう弁明した。
「イベントには招待されましたが、自費で行きました。政務活動費でもないです。この会合には各国の首脳らが参加しており、見聞を広めるために参加しました」